更年期障害と似た症状を持つバセドウ病とは?

バセドウ病

バセドウ病とはどんな病気?

歌手の絢香さんが公表したことで広く世間に知れ渡った「バセドウ病」。

このバセドウ病とは甲状腺の病気の1つです。甲状腺は、のどぼとけの下の気管(呼吸をする際の空気の通り道)の前にあり血液中に甲状腺ンを分泌して正常な代謝を保つ重要な役割を持っています。バセドウ病はこの甲状腺に異常が生じ、それにより血液中に甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまい様々な症状を引き起こしてしまう病気です。

バセドウ病の原因は自己免疫疾患(本来体内に侵入してた外敵等を攻撃し体を守る働きをする免疫が何らかの影響により正常な細胞や組織を外敵と判断して攻撃してしまう疾患)なのですが、なぜそのようなことが起こってしまうのか?という原因については未だ解明されていません。バセドウ病は約80%が遺伝的な要素、20%が喫煙、女性ホルモン、妊娠、ストレスなどの環境因子によるものと言われていますが、元の原因となるものがはっきりと分かっていないため根本的治療は困難とされています。

バセドウ病の症状

バセドウ病と聞くと1番に「目が飛び出る病気」というのが思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか?これはバセドウ病の大きな特徴の1つですが、この症状は実はバセドウ病患者のうち20~30%です。バセドウ病には他にもいくつもの症状があり、主な症状は以下の通りです。

  • 発汗過多
  • 動悸・息切れ
  • 情緒不安定(イライラ・倦怠感・落ち着かないなど)
  • 食欲増加
  • 手の震え
  • 甲状腺の腫れ
  • 体重減少
  • 軟便下痢など

これを見ると女性の更年期障害の症状と同じものがいくつもあります。現在では若年性更年期障害も増えてきているので、見た目の異常が出なければ「更年期障害かな?」と思ってしまいそうなくらいです。実際に更年期障害だと思って婦人科を受診したらバセドウ病だったという人も少なくありません。ですから、このような症状を感じたら放置せず婦人科でもいいので受診して診察を受けるようにしてください。

バセドウ病は血液検査の甲状腺値を見れば分かり、更年期で受診しても血液検査がありますのでここで発見できます。ですが病院等によってはない場合もありませので医師に確認し、なければ調べてもらうよう伝えるといいでしょう。

バセドウ病の治療

バセドウ病の治療法は3種類あります。1つは『内服薬治療』でバセドウ病と診断されるとまずはこの治療方法から始めます。使用される内服薬は抗甲状腺薬で、それぞれの状態に合わせた容量を服用し原因となる正常な細胞や組織を外敵と判断してしまう抗体を抑えます。およそ1ヶ月~3ヶ月ほどで様子を見ながら服用量を減らしていき効果があれば1年半から2年後に約半数の人が薬を服用しなくても大丈夫な状態にまで回復し、甲状腺の機能低下を起こしてもすぐに元に戻すことができますが薬による副作用があり(症状や状態は人によって異なり個人差がある)再発しやすいです。

内服薬治療による副作用には以下のようなものがあります。

  • かゆみ・発疹
  • 肝機能異常
  • 無顆粒球症(白血球中の顆粒球という細菌を殺す細胞がなくなってしまう疾患)
  • 発熱・関節痛
  • 腎臓や肺の血管の炎症

※無顆粒球症、発熱・関節痛、腎臓や肺の血管の炎症の副作用は極まれな副作用です。

内服薬治療で効果が見られなかった場合はアイソトープと呼ばれる『放射性ヨウ素治療』、もしくは『外科的手術』に変更されます。放射性ヨウ素治療は放射性ヨウ素カプセルを服用することで甲状腺の細胞を壊して改善させる治療です。およそ2〜6カ月で甲状腺ホルモンの分泌は減少し、首の腫れも引いていって抗甲状腺薬での治療よりも早く治りますが、細胞が減りすぎて逆に甲状腺の機能低下を起こす場合があります。また、治療を受けられる施設が限られているという事もありますが、治療に伴う副作用や合併症がほとんどありません。

そして、外科的手術による治療では甲状腺を切除し甲状腺ホルモンの生産量を減らします。確実な効果があり、且つ再発が少ないですが専門の施設が限られており手術跡が残ります。

バセドウ病は若い女性に多い!

バセドウ病は特に20代~30代の女性に多く半数以上を占めており、バセドウ病にかかる割合は男性が1割に対し女性が9割を占めます。

これは、バセドウ病が女性ホルモン、妊娠、ストレスなどと関係していて、ちょうど20代~30代の女性が妊娠する可能性や子育て、社会的立場等でストレスが多くなりがちな為かかりやすいではないか?と言われています。

バセドウ病で妊娠した場合、流産や早産の危険が高くなります。ですので妊娠前に甲状腺ホルモン濃度を治療でしっかりと正常な状態にしておくことがとても重要となります。また、バセドウ病は産後に悪化することがあります。

バセドウ病はストレスなどによる免疫の低下が発病の引き金となることが多いので、できる限りストレスをためないようにし免疫力を高めましょう。

重度になる前に早めの治療を

バセドウ病はしっかりと治療を受け、甲状腺ホルモン濃度を正常に保てば特に制限なく日常生活を送ることができます。しかし、適切な治療をせずに放置してしまうと重症化し38℃以上の発熱を引き起こしたり、下痢や嘔吐、最悪の場合は心不全や意識障害などが起こるり命にかかわる重篤な状態を引き起こすこともあります。

ですから、もしかして?と思い当たる節があったらすぐに病院を受診し検査を受けて早期治療することが大切です。私は大丈夫なんてことは言い切れませんので、他人事と思わずにしっかりと意識を持ちましょう。