生理が1度も来ない『原発性無月経』を知ろう

原発性無月経症候群

女性特有のものとして生理(月経)があります。現在では日本人女性の平均初潮年齢は早く小学6年生(12歳)と言われていますが、この初潮が成人を過ぎても全くなく、生まれてこの方生理が1度も来ないという『原発性無月経』という病気があります。中には20代・30代を過ぎてから初めて原発性無月経であるということを知る人もいます。ここでは、そんな『原発性無月経』についてご紹介します。

原発性無月経ってどんな病気?

無月経という言葉を聞いたことがあっても『原発性無月経』という言葉を知っているという人は少ないのではないでしょうか?

『原発性無月経』とは、満18歳になっても初潮が起こらない事を指します。同じ無月経に初潮を迎え定期的に生理があるものの3か月以上生理が来なくなってしまう「続発性無月経」というものがあります。「無月経」と聞くと大体の方はこちらの続発性無月経を想像されると思います。

原発性無月経の原因は様々ですが、染色体異常による卵巣の発育不全が原因となっている場合が最も多いとされ、染色体異常の中でも「ターナー症候群」「精巣性女性化症候群(アンドロゲン不応症)」が多いと言われています。そのほかの原因として女性器としての機能(子宮や卵巣)は正常で生理もきちんと生じているのですが、外性器の形成異常により出口がなく体外に経血が排出できないために無月経状態となっている場合もあります。

「ターナー症候群」

ターナー症候群の発生頻度は女性の2500人に一人と言われています。この病気の大きな特徴として「低身長」があり、小児期に発見されることも多く平均身長で20センチ以上の差が出るとされています。卵巣が上手く発育しないため、治療を行わなければ生後数ヶ月から数年後に卵巣機能が停止してしまい初潮を迎える前に卵巣機能が停止してしまうと「原発性無月経」、初潮を迎え生理があっても平均より早く卵巣機能が停止しまうと「早発閉経」とされます。

「精巣性女性化症候群(アンドロゲン不応症)」

精巣性女性化症候群は元々の性別は男性なのですが、男性ホルモン機能異常により男性ホルモンが上手く作用できず本来であれば男性器が生成されるのですが、これにより男性器を生成できず性器の形が女性器の型となってしまう先天性異常疾患です。女性器の型といっても元が男性なので子宮は存在せず性器の形だけが女性と同じような形になるため女性器としての機能は備わっていないので生理も起こりません。

つまり、染色体上では男性で精巣も腹腔内に存在しているのですが、心身の発達は通常の女性と同じなため外的にも内的にも女性的なのですが膣内に子宮や卵巣がない疾患です。そのため知らずに女性として育ち、思春期頃に精巣性女性化症候群ということが分かり衝撃を受けられる方も多いです。※性同一性障害とは異なります。

治療で治る?将来妊娠できるの?

「原発性無月経の治療法」

原発性無月経は原因によって治療法も異なり、外性器の形成異常による場合は外科的手術により治療されます。また、精巣性女性化症候群の場合は腹腔内に存在している精巣を摘出し、ターナー症候群の場合はホルモン補充療の「カウフマン療法」が行われ原因が明確でない場合には無月経の程度を確認した上で妊娠を望む場合には排卵誘発剤による治療、望まない場合にはターナー症候群と同様にカウフマン療法が行われます。

「原発性無月経と妊娠について」

原発性無月経だと将来妊娠できるのだろうか?ということがとても気になると思いますが、先で少し触れている通りホルモン療法や排卵誘発剤での治療により実際に原発性無月経の女性が妊娠・出産できたケースはいくつもありますので、決して必ずしも原発性無月経であるからと言って将来妊娠できないというものではないのですぐに子供を諦めなければならない訳ではありません。

18歳になっても初潮が来なかったら病院へ!

初潮年齢は人によって違いますが、18歳になっても来ない場合には原発性無月経の可能性がありますので1度産婦人科等を受診し検査を受けましょう。もしその結果、原発性無月経だった場合その原因がいかなるものであったとしても早期に何らかの治療を受けた方が後々のためになります。

調度年頃の年齢なので「生理」の事を恥ずかしいと感じ中々自分から親や友人などに言いにくいということもありますので、普段からそうした話ができる環境づくりや母親が気にかけてあげるという事が重要となってきます。ですので、原発性無月経という病気があるという事を広く知って戴き、初潮を迎える年齢の女の子をお持ちのお母さんはそうしたことも頭に入れつつお子さんを見守ってほしいと思います。