「特定不妊治療助成金」について

助成金

特定不妊治療と不妊治療助成金制度について

不妊治療は健康保険が使えず、高額療養費として申請することができません。中々子宝に恵まれずに悩み、長期に渡り治療に励んでいるご夫婦にとって不妊治療においての精神的・経済的負担はとても大きなものでした。

しかし、そんな不妊治療も「特定不妊治療」に関しては助成が受けられるようになりました。助成制度について良く理解し、上手く利用していきましょう。

特定不妊治療とは?

特定不妊治療とは、数ある不妊治療のうち高度生殖医療である「体外受精」「顕微授精」「凍結胚移植」の事を指します。ちなみに、これ以外の初期の一般不妊治療である「タイミング療法」や「投薬治療」等は保険適用範囲です。

不妊治療助成金について

国の厚生労働省が実施している事業で、不妊治療の経済的負担軽減のため、高額な医療費が掛かる配偶者間の体外受精や顕微授精に必要とされる費用の一部を助成するという制度です。現在47都道府県どこでも受けられる助成制度で、全国どこでも同じ方針の制度です。

また、国とは別に「自治体(区市町村)独自の助成制度」を設けている場合があります。しかし、こちらは各都道府県の地方自治体によって制度の内容が異なりますのでそれぞれの窓口やサイトなどで詳細を確認する必要があります。

受給対象の条件

特定不妊治療支援事業の対象者は、

  • 特定不妊治療以外の治療法によっては妊娠の見込みがないか又は極めて少ないと医師に診断された「法律上の婚姻をしている夫婦
  • 国では夫婦合算で730万円未満の所得なら助成する、という所得制限があります。これは夫婦合算の所得(収入から社会保険料や基礎控除や配偶者控除、扶養控除など差し引いた額)で730万円であり、収入ではありません。夫婦合算年収1000万円くらいまでなら、特定不妊治療の助成金対象者になり得ます。
  • 知事が指定する医療機関で治療を受けている
  • (申請を出す)都道府県に住所を有する
  • 申請日の属する年度において、規定回数以上、他府県等で実施する本事業の助成を受けていない
都道府県ごと、または市区町村ごとに異なることがありますので、最寄りの自治体にしっかり確認しましょう。また、健康保険制度に加入し、申請する自治体の住民税を滞納していないことも要件にありますので注意しましょう。

受給申請について

特定不妊治療助成金の受給申請は、お住まいの住所地の市区町村役場(保健センターや保健所)に申請します。申請には期限があり、申請期間を不妊治療終了から60日以内等と設けている場合と年度内(翌年3月31日まで)に申請手続きをすればいい場合の2つがあります。これはその自治体によって異なるので、前もってきちんと確認した方が良いでしょう。通常、申請してから審査に2カ月ほど要し、審査の1カ月後に入金となります。

先ほどにも記載しましたが、原則として助成を受けるには申請する自治体の住所地に住んでいる事という条件があります。また、夫婦どちらかだけ居住していれば助成金の対象者となる自治体と、夫婦両方とも居住していなければ助成の対象者とされない自治体などもあり夫婦の同居要件も自治体により異なっています。そちらもしっかりと確認するようにしましょう。

申請に必要なもの

【保健所でもらう書類】

  • 特定不妊治療費助成事業申請書
  • 特定不妊治療費助成事業受診等証明書

【病院でもらう書類】

  • 指定医療機関が発行した治療費の領収書
  • 指定医療機関が発行した治療費の明細がわかるもの

【区市町村の役所で発行してもらう書類】

  • 夫婦それぞれの住所を確認できる書類(住民票:続柄の記載のあるもの)
  • 戸籍上の夫婦であることを証明する書類
  • 夫婦それぞれの前年の「所得金額」と「所得控除の内訳」が記載された証明書(前年の所得が確定するまでの間の申請については前々年の証明書)

※(注)所得が無い場合も、夫婦二人分の証明書が必要です。また、「自治体独自の」助成制度を受ける場合は、書類や提出先が違います。詳しくは自治体のHPをご参照ください。

出典:NAVERまとめ

給付内容について

給付は、1回の治療につき初回30万円、2回目以降15万円までとなりますが、採卵を伴わない凍結胚移植等は7.5万円までとなります。平成28年4月以降は、所定の男性不妊治療に関しては15万円上乗せされます。

国の特定不妊治療支援事業の傾向

国の特定不妊治療支援助成金は縮小される方向にあり、2014(平成26)年4月から2016(平成28年)3月までは、治療開始時に40歳未満の妻が43歳までの間に通算6回まで、治療開始時に40歳以上の妻は初年度3回、2年目2回まで助成を受けられますが、2016(平成28)年4月からは治療開始時に43歳以上だと、助成を受けられません

国と自治体両方から助成金のダブル受給が可能

特定不妊治療助成金は、都道府県または市区町村の内どちらかを選ばなければならないという自治体もあれば、都道府県の方で助成金の支給決定があってから市区町村に2カ月以内や6カ月以内または1年以内といった一定期間内に助成金の申請ができるという自治体もあります。

ですから場合によっては国と自治体どちらからも助成金受給ができる可能性もあります。そのため、医療費の領収書はコピーを取っておくようにすると両方の申請時にとても便利です。

医療費控除が可能

医療費の控除には、不妊治療費用や病院への交通費(電車代やバス代)なども含まれます。医療保険の給付金や国や自治体からの助成金を差し引いた費用の実質負担分が10万円(もしくは所得の5%)以上の場合、住所地の税務署で確定申告(還付申告)の手続きをしましょう。

確定申告は自ら行わなければならず少々面倒ではありますが、不妊治療にかかる費用はかなりの額になります。ですが 医療費控除を利用すれば、少なくとも数千円~数万円ほど税金が返ってくる可能性が大いにあります。また、高額所得者などの不妊治療助成金が受給できない方の場合、数十万円単位で税金が返金される可能性もありますので、手間でもしっかりと確定申告されることをお勧めします。

不妊治療に関する医療費控除の計算の仕方

まず、1年間で掛かった医療費を合算します。これは不妊治療のみに関わらず、1年間での全ての医療費となりますので、領収書は全て取っておくようにましょう。また、治療の際に掛かった交通費や差額のベッド代、食費を含む入院費も医療費と合算する事ができますので、これも同様に全て取っておくようにして下さい。また、医療費控除は世帯全員の分を合算するので、それらもすべて含めて合算し金額を出します。

次に、助成金を受給していたり、医療保険が降りたり、高額療養費が支払われたりしていて医療費の自己負担が軽くなっている場合には、「医療費全て控除」の対象にはならない為、その金額から「1年間で受けた不妊治療助成金の金額」「医療保険から支払われた給付金額」「高額療養費として支給された金額」を差し引きます。控除は実際に費用として掛かった金額しか対象にはならないので注意しましょう。

控除は医療費から助成金などを引いた額が10万円以上の場合に10万円を超えた額が医療費控除の対象となります。また、年収が200万円未満の世帯の場合、所得の5%を超えた医療費を控除の対象にすることが出来ますので、その金額を確定申告の際に申請します。

ここで覚えておいて頂きたいのは、算出した金額が全て戻ってくるわけではなく、実際に戻ってくるのは、算出した金額に税率をかけた分だという事です。

税率は年収によって違うため、これはあくまでも目安になりますが、平均的所得のサラリーマンで、所得税・住民税合わせて約20%が税率となる人が多いようです。

受けられる制度に対する知識や情報を知りましょう

せっかく、受けられる制度があってもきちんと知って上手く利用出来なければ意味がありませんし損です。国や自治体からわざわざご丁寧に「こんな得なやり方がありますよ!」なんて教えてはくれませんので、ご自分でそういった制度や情報について調べ、良く理解して上手く取り入れるのと、知らずに利用しないのでは大きな差があります。少しでも経済的負担を減らす為の知識を身に付け少しでも気楽に不妊治療に専念できると良いですよね。また今後不妊治療に対するこういった制度がもっと増えていくことを願っています。

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